サ向けadvpcg概要紹介【advpcg①】

 どうも、あぺるです。今回は雑談は抜きにして、さっさと本題へ。

 きっかけはサークルで雑談をしていて、昔のカードを発掘して回顧していた時のことでした。このカードが現役だった頃の環境ってどんな感じだったんだろうと疑問に思ったが最後、ネットを漁り始め、ちょっとデッキを作って触り始め、そして気づけばサークルの極めて一部で大きなブームになっていました。先輩がちょいちょい布教しつつ、この度ついに企画を立ててくださりadvpcg部内戦がサークルで開催されることになりました。めでたい!

 部内戦ができるくらい人が集まってくれたことに感謝しているのですが、その多くは現行ルールをやっている人たちであり、advpcg環境についてはあまり知らないでしょう。そこで、自分が今持ってるエアプ知識を最大限使って嘘嘘advpcg紹介をしようと思いました。様々な先人たちのの記事を参考にしつつ、なんとか自分なりにまとめてみました。

 

 

1. ADVPCG環境とは?

 そもそもadvpcg環境とはなんなのか。exポケモンが新しく登場した2003年から、1年ごとに新しいカードが登場したり逆に使えなくなったりして2007年にDP環境が始まるまで少しずつ環境が変わりながらexポケモンを中心とした環境が続いていました(exポケモンとは、きぜつするとサイドを2枚取られる代わりに強い性能を持つポケモンのことで、今でいうポケモンVのようなものです)。それぞれの年の環境だけで遊ぶのもとても楽しいでしょうが、その環境で強いデッキの対策がしにくかったり、別の年の強いカード同士を組み合わせられなかったりと楽しさに制限がかかると感じる場合もあるでしょう。そこでこれらを全部まとめちゃえ!とこれらの環境を混ぜたものをadvpcg環境、あるいはex環境などと呼びます。

 

 使えるカードはADV第1弾拡張パックから、DP環境が始まる以前までのものです。カードゲームにインフレは付き物なのか、最終版のポケモンは初期のポケモンと比べてかなりパワーの高いものもあります。カードプールが非常に広いため覚えるのが最初は困難かもしれませんが、その分多種多様なデッキが様々なアレンジを加えて使うことができるようになります。1つの強いデッキに対しても複数の対処法が考えられるなど、かなりバランスの取れた環境となっています。また、この環境にはδ種と呼ばれる、通常のポケモンのタイプとは異なったポケモンのカードが存在します。通常のポケモンからδ種に進化したりその逆も可能です。

 

 個人的には、多種多様なカードが存在するということはそれだけ考えられる相手の戦術があり、対戦時に考えることが多くて現行よりも頭を使ってる気がしました(諸説あり)。また、プレイングが大事であると同時にデッキ構築の段階から非常に重要だと思いました。更に言えば、対面した瞬間に勝敗がだいぶ分かるようなデッキの相性もあります。もっとも部内戦で3勝するならだいたいのデッキに可能性があり、自分の気に入ったデッキを使って欲しいですね。

 

 

2. ルールの確認

 基本的には現行ルールと変わりませんが細かい点でいくつか異なる箇所があります。

 これについて綺麗にまとめてくださっている記事がありますのでここはそのリンクを貼らせていただきます。

 ADV-PCGレギュレーションのルールなどに関しての記事 - かりゅうどの気まぐれ日記

 個人的には、ゲームテンポが今と比べてゆっくりなこともあってか、先攻と後攻のどちらが特別有利ということもなくうまい具合に調整されていて良いと思います。

 

 

3. 強みを活かすか、対策するか

 この環境のデッキのタイプについて話していきます。この環境の構図を非常にざっくりと言うと、「2進化ポケモンや強いポケパワー・ポケボディーのポケモンを使う」or 「2進化ポケモンやポケパワー・ポケボディーを対策する」のどちらのデッキタイプを使うかに分かれると思います。もちろんどちらにも含まれないような強いデッキもありますが、だいたいはこの2つのどちらかに分類できる気がします。順番に見ていきましょう。

 

強みを活かす側について

 まずは、非常に強力なポケパワーを持つカードを2種類紹介します。当時はサポーターやトレーナーズが今ほど強くなかったため、この2種類のカードは特に展開を手助けするものでした。

 1枚目はジラーチ(PCG2)。サンムーンのねがいぼしジラーチが目を飛び出してびっくりするレベルの強さ。山札の上から5枚見て好きなカードを手札に加えられる。とても強い。このカードは試合の序盤に場に出して盤面整理を加速させたい。

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 2枚目はピジョット(PCG1)。バグレベルの強さ。自分の番に1回、山札から好きなカードを持ってくる。頭がおかしい。自分の盤面に合わせたカードを好きに持ってくるため、ピジョットが立った瞬間デッキがぶんまわり始める。このadvpcg環境で戦うのであれば、このカードを入れるか、入れないならば対策カードは絶対に入れる必要があるレベル。(実は逃げエネ0なのも強過ぎポイント)

 このカードは特に2進化ポケモンを使うデッキで多く用いられます(まあこいつも2進化だし)。この環境で2進化が強い理由として、カードそのもののスペックに加えて「ふしぎなアメ」の仕様の強さもその1つだと思います。この時代のふしぎなアメは、最初のターンに使えるし、ポケモンを出したばかりのターンでも使えます。2進化デッキにはだいたい4枚採用されています。したがって、手元にある程度カードが揃っていれば、ピジョットのマッハサーチで足りないパーツを持ってきて2進化ポケモンが苦労なく出来上がります。うーん強すぎ!!

 

 そしてポケパワー・ポケボディーを活かしたデッキを紹介していきたいのですがあまりにもその数が多いためここでは代表的なところだけを少し紹介します。記事の最後にリンクを載せておくので、どんなデッキがあるのか気になる方は見てみてください。

 

・カメルギア(LBS)

 カメックスexのエナジーレインとホロンのポワルンを使って1ターンでエネ加速をして攻撃する当時を象徴するデッキ。ホロンのポワルン(PCG7)は、ポケモンでありながらダブルレインボーエネルギーとして利用できる(エネとして貼る際に既に付いていたエネルギーを1枚手札に戻す)この時代の特徴的なカードであり、エナジーレイン⇨ポワルン手張り⇨エナジーレインと使用することで、水エネルギーとポワルンのみで虹虹水を満たす技の準備が1ターンでできてしまいます。

 

・アブソリューション

 イーブイの進化系達のポケモンex(WCP)のポケパワーを盤面に応じて使い分けて戦うデッキが元になっています。当時トップレベルの単体性能を誇るレックウザexδ種(PCG9)やアブソルex(WCP)が登場したことで改良されていきました。サンダースex(PCG6st)のポケパワーはダメカンばら撒き、ブラッキーex(PCG4)はベンチ呼び出し(ブラッキーV, Vmaxの元ネタと思われます)、エーフィex(PCG4)は相手のベンチポケモンを1体退化させます。アブソルexは技もポケパワーもサンダースexのばら撒きと相性がいいです(画像参照)。レックウザexδ種は上技はどこでも狙撃できる上にポケパワー・ポケボディー持ちには50ダメージ与えられます。加えてポケボディーによってサイドが負けていると少ないエネルギーで技を使うことができ捲り性能も高いです。とても強い。

 

サーナイト

 ポケパワー・ポケボディーを対策する側とどちらに載せるか迷いましたが、とりあえずこちらで紹介します。このデッキは3種類のサーナイトのポケパワーを駆使して戦います(1つの進化ラインから複数種類のポケモンに分岐できるのもこのadvpcg環境の面白い点だと思います)。このデッキはサーナイト以外にも語りたい箇所は多く存在するのですが長くなって話が逸れそうなので今回はカットします。すみません。

 サーナイト(ADV1)はヒーリングダンスで好きなポケモンを20ダメージ回復します。サーナイトδ種(PCG6)はエネスイッチで場のエネルギーを動かすことができます。そしてこのデッキの中心であるサーナイトexδ種(PCG9th)。このポケモンのポケパワー「ふういん」は相手のポケモン1体に封印マーカーを乗せて、ポケパワー・ポケボディーを封じることができます。封印マーカーは進化・退化、一部のポケモンのポケパワーでのみ取り除くことができますが、普通の状態異常のようにベンチに戻しても治りません。このポケパワーで相手の動きを封じ、こちらはポケパワーを上手く利用して戦っていきます。環境トップデッキの1つでした。

 

 

対策する側について

 続いてこれらを対策する側。製作サイドもやり過ぎたと反省したのか露骨なメタカードを用意してきました。

 キリンリキ(PGC5)はジラーチの暴走を止めにやってきました。「バトル場」の「たねポケモン」の「ポケパワー」を封じます。明らかにジラーチを意識しています。こいつを出されるとジラーチは何もできずベンチの肥やしとなり、また、逃げるエネルギーも必要であるため手間になります。

 

 バトルフロンティアソルロック・ルナトーン(PCG5)はピジョットを封じるために生み出されたのでしょう。スタジアムのバトルフロンティアは「無」の「進化ポケモン」のポケパワー・ポケボディーを封じます。明らかにピジョットを意識しています。ソルロックは、自分の場にルナトーンがいると無のポケモンのポケパワーを封じます。ピジョットを置物にするのがお好きなようです。

 

 これらは明らかなメタカードですが、これらの他にもポケパワー・ポケボディーを封じるカードは少なくありません。例えばベトベトンex(ADV3)のポケボディーかがくへんかガスは、お互いの場のポケモンのポケパワー・ポケボディーを封じ込めます。ポケモンのどうぐである封印の結晶は、これを持ったポケモンがバトル場にいるとお互いの場のポケモンのポケパワー・ポケボディーを封じ込めます。要は誰でもベトベトンexのポケボディーを持てちゃうよ〜というクソ強カードです。

 

 このように、ポケパワー・ポケボディーを対策する手段は様々であり、対ポケパワー・ポケボディーデッキにおいて圧倒的に強いデッキを1つ紹介します。

 

・ライエッグ

 ライチュウδ種(PCG7)の技パチパチは無色エネルギー1つで打てる技としては破格の性能を持ち、互いのポケパワー・ポケボディー持ちのポケモン全てに20ダメージを与えます。また、スタジアムの呪われたほこら(PCG5)でもポケパワーを持つポケモンにダメージを与えます。当然封印の結晶も4投されており、相手のポケパワーを持つポケモンは、その効果を発揮することなくただただダメージを蓄積していくのみ…。更に、超古代のわざマシン[岩]は、相手の進化ポケモンを退化させる技を打つことができるようになります。この環境ではふしぎなアメに頼って1進化を経由せず2進化ポケモンを立てている場合が多いので、この技は非常に刺さります。ダメージをばら撒いているので退化してHPが低くなったポケモンを気絶させることも可能でしょうし、それが無理でもふしぎなアメがなければもう一度進化することができません。自分はこのカードが結構好きです。ライエッグは当時の環境トップデッキの1つだったそうです。

 

 トレーナーズの使用を妨害することで相手に思うようなプレイをさせない、いわゆるグッズロック系のデッキもいくつか存在していました。今まで紹介してきた妨害系トレーナーズ封印の結晶やバトルフロンティアなどは、対策カードとして暴風(PCG8)があります。

 このカードはポケパワー・ポケボディーを活かしたデッキには必要不可欠で、4投されることも少なくありませんでしたが、グッズロック系のデッキはこういったカードを相手に使わせないことで盤面を有利に保ち続けることができます。更にこの時代はスタジアムもトレーナーズとして扱われていたため、スタジアムを貼り替えることで盤面有利を取り戻すこともできませんでした。害悪すぎるっ…!

 またこの環境で2進化ポケモンのデッキが強いことは紹介しましたよね?展開をふしぎなアメに頼り1進化ポケモンを入れないデッキも少なくありませんでした。そういったデッキにグッズロックをするとどうなるか…。相手はポケモンを進化させられず詰みます。

 そんな害悪なグッズロック系のデッキの代表例を2つ紹介します。

 

・ミュウライボ

 このデッキの目標は、2ターン目(できたら先攻が好ましい)からライボルトex(PCG2)のでんじしょうがいを使い、相手に一生トレーナーズを使わせないことです。非常にシンプルな戦い方でありながら、展開をトレーナーズに大きく頼ったデッキにブッ刺さる場合も多く、2005年には世界大会優勝者が使用していました。

 

・レックヘルガー

 このデッキも、2ターン目までにヘルガー(PCG4)をベンチに用意したいです。ヘルガーのポケボディー「ロンリーハート」で相手のトレーナーズの使用を妨害します。メインアタッカーは、またもや登場レックウザexδ種(PCG9)です。自分のベンチポケモンの数を絞るプレイングが必要ですが非常に強力です。

 

 

4. サイドプランにご注意を!

 現行ルールでもいかにしてサイド6枚を取っていくかは試合中常に考えていかなければならない点ですが、現行はゲームスピードがめちゃめちゃ早く(advpcgをやっていると特にそう感じます)、基本的には取れるときにできるだけ早くサイドを取って先行していくのが強いと思います(現行はほとんどやっていないので詳しくは分かりません)。捲り要素もリセットスタンプがパッと思いつく程度です。何ならCレギュ落ちますね。何か他にあれば有識者の方教えてください。

 しかし、これと同じようにadvpcg環境でもプレイしようとすると思いがけない罠にハマってしまう可能性があります。当時の強い逆転要素のあるカードを3種類紹介します。

 

 サポーターのロケット団の幹部(PCG3)は、advpcg環境を代表するカードの1枚です。その効果はNと言えば分かるらしいです。もしくは両者リセットスタンプ。当時のクソ雑魚サポーター群の中では珍しく原稿でも使えるようなレベルの強さ(ダイゴのアドバイスは現行カードの上位互換だったりする)。序盤は有能なドロサポでありながら、終盤はサイドの減った相手の手札を減らして動きを止めることができます。このカードはほとんど全てのデッキに採用されるため、どの対面でも警戒する必要があります。

 

 逆転!マジックハンド(PCG3)はサイドが負けている時に使うことができ、相手のバトルポケモンのエネルギーを1枚別のポケモンに付け替えるか、相手のベンチポケモンをバトル場に引きずり出します。グッズとして使えるボスの指令。1度に2枚使用して、相手のベンチポケモンにエネルギーを貯めてからバトル場に呼んで倒す動きができると強く、相手は盤面からエネルギーとポケモンを同時に失ってしまいます。

 

 スクランブルエネルギー(PCG2)は、進化ポケモン(ポケモンexを除く)に付けることができます。普段は無色エネルギー1つとして働きますが、サイドで負けていると全てのタイプのエネルギー3個分として働きます。使える条件が限られるため採用されるデッキは多いわけではありませんが、非常に強力な可能性を持っています。先に挙げたライエッグもスクランブルエネルギーをレインボー3個分にするために敢えてサイドレースで遅れを取ろうとする戦術を用います。

 

 このような強い捲りカードが存在するため、advpcg環境ではサイドが少し負けていても逆転することは決して難しくありません。むしろ下手にサイドを取り進めるとこれらのカードで動きを止められて負ける場合もあります。相手のデッキタイプに合わせていかにサイドを取っていくか考える必要があるのが、この環境のプレイングの難しさの1つでしょう。ここでは、わざとサイドを取らせてこれらのカードを有効利用するデッキを1つ紹介します。

 

・バンギマイン

 さっきの分類で言えば強いポケパワーを活かす側のデッキ。

 マルマインex(PCG1)のポケパワー「エネエネボンバー」は、このポケモンをきぜつさせる代わりにトラッシュからエネルギーを5枚自分のポケモンポケモンexを除く)に好きなように付けることができます。exポケモンがきぜつするため相手にサイドを2枚取られてしまいますが、このデッキでは逆にそれを利用します。

 エネルギーを付けるのは主にわるいバンギラス(PCG3)で、非exポケモンとしてはトップレベルの性能を持ちます。相手はサイドを2枚取らされ有利となっているため、こちらはスクランブルエネルギーを強く使うことができ、大量のエネルギーを必要とする技をどんどん使うことができます。また、エネエネボンバーを使ってからロケット団の幹部を使用することができると強い動きとなります。相手は増えた手札を全て山札に戻し、少なくなったサイドの枚数分しか引くことができません。そして逆転!マジックハンドで相手の動きを封じます。このデッキも当時の環境トップデッキの1つでした。

 

 

5. さいごに

 いかがだったでしょうか。駄文をつらつら連ねてしまい、うまくadvpcg環境の概要をまとめられたか不安ですが、この記事で少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。まだ自分もadvpcg環境について知識が豊富なわけではありませんので、何か記事の中で改善したほうが良い場所があったら教えてください。

 ここで紹介したのはadvpcg環境のほんの1部に過ぎません。先述の通り、この環境には膨大なカードが存在し、そのどれもがデッキを組んでみたくなるような面白い性能を持っています。もっと色んなデッキを見てみたい方のために先人達の記事のリンクを貼っておきます。どのデッキも個性的で握ってみたくなると思います。

 というわけで今回はここまで!自分の気分が乗るか、なにか必要を感じたら各デッキについてもまとめていきたいです(主に自分用になりそうな気もしますが)。読んでいただきありがとうございました。

 

 

6. リンク集

ポケモンカード 旧シリーズ検索

 旧裏からPCGまでのカードを見ることができます。この記事の画像もこのサイトからお借りしました。ありがとうございました。

ADV・PCGシリーズの記事まとめ|寒天(奏天)|note

 普段デッキ構築をする際にお世話になります。実際にプレイをする際の注意点であったり採用カードの詳細説明などとてもためになります。

【ポケモンカードADV/PCG】世界王者Jason氏が語るポケモンカードの歴史⑯「ADV~PCG環境デッキ紹介」 : Daydream Holic Night

 海外の方の記事を和訳したものになります。自分もこの記事を書く上でかなり参考にしています。多分大学に提出したらひょう窃だと言われて単位を落とすレベル。全部で30ものデッキが紹介されているため見ない理由はないです。

Pokemon TCG Archive – A History of Competitive Pokemon TCG 

 海外のサイトで、各年の活躍したデッキを紹介しています。注意する点があるとすれば、それぞれの年のカードプールで構築されているため、advpcg環境で使うなら改良できる余地が含まれている場合があります。